乗船日数1000日のクルーズアドバイザーブログ

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~美しき青きドナウ河畔に中欧4ヵ国の世界遺産を訪ねる~ バッハウ渓谷編


「バッハウ渓谷とその文化的景観」
これがユネスコ文化遺産登録名。 


名前がとてもしっくりくる。ドナウ河約2,700Kmにしてハイライトのシーニッククルーズが楽しめる36Kmの区間だ。 

クレムス、デュルンシュタイン、シュビーツ、メルクとバッハウ渓谷沿いには素敵な小さな村にリバークルーズ港が点在している。 
リバークルーズは自転車を積んでいる事が多く、その気になれば隣りの村へもサイクリングで出かける事も可能だ。  

オスマン・トルコが内陸部へ侵攻するにあたり、東方へのキリスト布教活動やこれ以上内陸部への侵攻を許してはならない並々ならぬ西方教会の覚悟が伝わってくる。 
メルク修道院デュルンシュタイン修道院など古城や修道院が建ち、美味しいワインを生み出す葡萄畑も続くドナウ河第一級の景勝地。 

とりわけメルク修道院は、蔵書数、フラスコ画の芸術の高さからして西方教会の集大成の最高峰。 

 

バッハウ渓谷はアプリコットや美味しいワインのリースリングを中心とした葡萄畑が連なる。「荘園制」は昔からキリスト布教と共に修道院と農家の持続可能な関係が今も継続している。  

修道院とバッハウ渓谷の農家とのSustinableな関係の「荘園制」から造り上げられ、修道院で販売しているリースリングワインやアプリコットジュースを購入する事も、この地域の文化的景観を守る仕組みとなっている。

~美しき青きドナウ河畔に中欧4ヵ国の世界遺産を訪ねる~ エステルゴム編


ハンガリー・ブダペストは知っていても「エステルゴム」を知らない方は多い。 
ハプスプルグとオスマンによる民族攻防において、現代の中欧と東欧の結び目「ハンガリー」は極めて重要。とりわけ「ハンガリーの都」となる「エステルゴム」は歴史上極めて重要な場所だ。 
大河は歴史を造り上げてきたので、要の大聖堂、教会、史跡は全て河畔沿いにある。
こうした「名」を取るより「実」を取る場所を効率良く訪ねるにはリバークルーズが最適だ。 


ウラル山脈を越えアジア民族の端くれ「マチューシャ族」が西欧の仲間入りするには、西欧文明の一翼を担うキリスト教に改宗し此処に都を築き、ハンガリーはその歴史に幕を開けた。 
歴史の「物語(Story)」を訪ね、「歴史に想いを馳せる」これが「旅」の本質でないかと思う。 

オスマン・トルコの侵攻により一時はこのエステルゴムも崩落。 
大聖堂のバコーツ礼拝堂はマチューシャ族にとっての謂わば「心の拠り所」。 
オスマンとの戦闘時には1600ほどに分解し、地中に埋め破壊から守り抜きハプスプルグ帝国が奪還し再建。 
並々ならぬハンガリーの宝だ。「エステルゴム」外してハプスプルグ家やドナウ河の歴史を語る事は出来ない。  



 

ドナウ河は歴史の生き承認だ。河畔を訪ねる事は歴史の来歴を訪ねる事。 
ドナウ河リバークルーズの真骨頂は此処にある。

~美しき青きドナウ河畔に中欧4ヵ国の世界遺産を訪ねる~ ウィーン編

「ヨーロッパの歴史と文化に触れる旅」
此れがテーマ。  


私の飽くなき「旅づくりの職人」への拘りは、歴史を刻んだ人物にStory …所謂「物語」として各地を解き明かし訪ねる事にしている。 
今回は「マリアテレジア」


中欧ドナウ河クルーズは、若干18歳にしてハプスプルグ家を継ぐことになったマリアテレジアに「光」をあて、ハンガリー/ブダペストからドイツ/レーゲンズブルグ、パッサウまでドナウ河を729Kmのリバークルーズ。
 

ウィーン旧市街観光は、先ずは威風堂々たる「マリアテレジア銅像」から。 
彼女の廻りには、奇しくも若干18歳にして涙ながらにハプスプルグ復活を訴え、その「心意気」を支えた「マチューシャ騎士団」が控えている。 


お客様より「こうした歴史上のモニュメント、凱旋門は意味のある方向に建てられているはずだが、どちらを向いているのですか?」と。 
即答は勉強不足で出来なかった。 

しかし、「マリアテレジアの想い」に寄り添い中欧ドナウ河クルーズを約20年以上に亘り企画してきた私見の領域は越えないが「きっと、彼女を支えたマチューシャ族の故郷に向いて建てたのでは」と。 
真実のほどは解らないが私はそう信じたい。  

また、「音楽の都」ウィーンと言われるほどなので、市内にはヨハン・シュトラウス、モーツァルトなど著名な音楽家の記念碑が沢山ある。  

ドイツ出身のゲーテは広く中欧に思想、美術、政治においても多大なる影響を与えた。 
数々の格言を残したが、その中でも
「旅は人に生きる力を与えるものである」 
ゲーテから薫陶を仰いだ胸中だ。