乗船日数1000日のクルーズアドバイザーブログ

クルーズのことならお任せ!手配から添乗まで終始一貫したプロデュースで27年・乗船日数1000日のクルーズアドバイザーが教える失敗しないクルーズのコツが満載

「訪日客93%減 31年ぶり20万人割れ」に思う

観光庁は『日本を3月に訪れた外国人旅行者は前年同月比93%減』と15日発表。田端観光庁長官の実に冴えない顔が印象的だった。
今後、4月、5月の対前年比減少率はこんなものではないであろう。 

                      資料:出典「日本政府観光局(JNTO)」


私は今から30年前にツーリズム産業界に入った。
当時の日本は自動車、家電製品など耐久消費財が世界No1。貿易不均衡と各国からバッシングを受け、政府はそれを避ける為に海外旅行を奨励し、様々な予算や具体策も打ち出され、当時新入社員であった私でさえ、証券会社入社した同窓を頼りに営業訪問をすると、相談や注文で訪問会社からなかなか出れないほどのアウトバウンド活況ぶりだった。 


確かに日本は、統計を取りはじめて2016年に人口減少に転じた。以後は毎年減少傾向は続いており、今後はその減少率は一気に上がる。 
ツーリズムと経済を学術的視座で説く方々が、国の会議において有識者として座につき「訪日観光客とこれからの日本」をテーマに施策が練り上げらていく。
一方、ツーリズム経営実践者としての私は、学術者のように机上論の情報を繋ぎ合わせて意見を述べるのではなく、経験した事を直感し体系的に説いてきており、これ迄のインバウンド政策を今回のコロナウィルスで見直す大転換期だと直感している。 


今我が社は営業時間短縮している。心身ともにリフレッシュと健康な身体づくりにと、近くの河川敷を毎日ウォーキングしている。

それは仕事柄良くリバークルーズで出かけるフランスのセーヌ、ローヌ河畔をランニング、ウォーキングしている豊かなライフスタイルを謳歌しているフランス、スイスなど世界的に「観光立国」と呼ばれる国々のライフスタイルを彷彿させる。


真の観光立国と呼ばれる国々へクルーズを通じて出かけるが、彼らは決して多額の国家予算を投入してインバウンドには取り組んでいない。自国の国民が、物質的金銭的な豊かさではなく、「心の豊かさ、教養」をエンジョイしてもらうために国民向けにツーリズムを奨励してきた。その結果フランスに、スイスに、多くの外国人が訪れるように自然となってきただけだ。 


私もツーリズム産業の一旦を担う立場として、クルーズを軸に懸命に実践経営として取り組んできたが、この数年のインバウンド政策にも拘わらず経済成長率はせいぜい1%程度。で、今年度の観光庁予算は681億と過去最高額、5省庁26事業に振り分けらる。勿論インバウンドが軸。


確かに大臣、外務副大臣クラスのASEAN会議など大きな国際会議で決まって霞ヶ関に落とし込まれてくるので、優秀な官僚の方々も異論を唱える余地はないと思うが、国際観光旅客税を納めているのは何より自国民である事を忘れずにいてもらいたい。


今は時代の大きな流れのブレイク・ポイント。 
Discovery JAPAN!
 今からは内需を軸に日本国民が日本再発見へと軸足を変える絶好のタイミングだ。


やがて始まる「Go to キャンペーン施策」を通じて、学識経験者でなく地方現役プレイヤー達の話にも耳を傾けると、底力を発揮するはずだ。

×

非ログインユーザーとして返信する