乗船日数1000日のクルーズアドバイザーブログ

クルーズのことならお任せ!手配から添乗まで終始一貫したプロデュースで27年・乗船日数1000日のクルーズアドバイザーが教える失敗しないクルーズのコツが満載

ダイヤモンド・プリンセスから学ぶ有事の対応

国内外でコロナウィルス終息宣言が出てもなく、むしろ世界で医療崩壊が起こり特効薬も発表されていない状況で、感染症患者がクルーズ船内で確認された場合、今後どう対応するのだろうか? 
5月16日ダイヤモンド・プリンセスが運航再開を目指しているだけに、終息前にしてもしっかり議論をしなければならない。
(※個人的にはカーニバル社に対してWHOもCDCが許可を出すとは思えないが…)




まず順に整理をしたい
※前もって申し上げるが、前例のない出来事なので何処かの組織の対応が悪かった等申し上げるつもりは毛頭ない。しかし、今後も同じ様な事が生じた際にどうしたら良いのか…一石投じたい。
①今回のダイヤモンド・プリンセスの場合

  • 1/25(土)香港入港後下船をした方がコロナウィルス感染症患者であった。 
  • 2/1(土)ダイヤモンドプリンセス船内でも感染症患者がいる事が確認された 
  • 2/4(火)横浜港入港を1日前倒しにし、2/3(月)横浜港入港 
  • 2/16(日)第一回政府緊急会議開催

1月下旬、船内で乗客の中にコロナウィルス発症患者がおり、感染拡大している状況を把握。横浜港へ急遽日程変更し前倒し入港が決定された時点で、何処かの組織が「プロフェッショナル」を召集した対策会議をいち早く開催し、2/3(月)の横浜入港に備え入港時にはマスタープランを持っていなくてはならない。


此処で言う「プロフェッショナル」とは  
・国立感染症研究所専門官
・クルーズ会社運航部門責任者(カーニバル本社)
・ダイヤモンド・プリンセス造船所責任者 

各々の責任者が入港後どの様な措置を取るべきかを、何処かの組織がリーダーシップを取るべき体制を今後は構築しなくてはならない。 
リーダーシップを取るべきは政府、クルーズ会社何処なのか?
此だけの犠牲者を出してしまったのだから、一歩踏み込んだ議論を可能な限り早めに政府は関係諸機関を召集し決めなければならない。 


②VIKING、 HOLLAND等、邦人でなく欧米豪諸外国の方々が多い場合

横浜港発着の欧米系クルーズは、何もダイヤモンド・プリンセスに限った話ではない。昨今は羽田・成田国際空港を世界のGateawayにし、横浜ハンマーヘッドや新東京国際クルーズターミナルをハブ港に世界市場を対象にしたフライ&クルーズハブ拠点モデルが多い。OCEANIAや VIKING など、日本人にはあまり知られていない世界クルーズ愛好家が支持するクルーズ船が続々と首都圏に世界から集まり、日本一周クルーズを予定している。ダイヤモンド・プリンセスの場合は邦人が多かったので、何となく日本政府・厚生労働省が必然且つ最終的にはイニシアチブをとった形だが、では圧倒的に欧米豪などの乗客が多く、アメリカに本社があり英国船籍の場合は何処の国の何処の会社組織がイニシアチブを取り解決をしていくのか?また検疫体制が脆弱な地方港はどうなるのか?入港拒否権限は地方運輸局、地方自治体にそもそもあるのか…? 


③飛鳥Ⅱ・にっぽん丸・ぱしふぃっくびいなす等の日本船の場合

外国船籍と異なり、基本的にCIQ(税関・出入国審査・検疫)体制なく乗下船させている。各社健康アンケートや体温チェックの対応をすることになっているが、ウィルス感染患者の無症状患者が媒体者になってしまっている状況下で心配していけばきりはないが、終息前の運航において検疫無くして乗船させてしまってよいものだろうか・・・  
今後のクルーズ産業通じ観光立国を目指すならば一歩踏み込んだ議論をし早急に対策を講じなければ地方自治体も県民、市民に対して合理的説明がつかず苦しい舵取りを求められてしまう。


色々と不安な事を申し上げてしまったが、クルーズ添乗歴900日通じて思う事は「クルーズほど清潔でウィルスに対して敏感な施設はない」 


ミシュランで幾つもの★を獲得しているホテルやレストランスを利用しても、出入口にクルーズ船のように手指消毒剤が常時設置されている事はまずない。
またお客様が就寝されてから、館内の全てのエレベーターや階段手摺など不特定多数の方々が接触する部分を、お客様が朝食の為に目覚めてくる時間まで、衛生チームが除菌・清掃をするホテルを一度も見た事はないが、クルーズは全船舶WHO・CDCの指示のもと行っている事は申し上げておきたい。

×

非ログインユーザーとして返信する