乗船日数1000日のクルーズアドバイザーブログ

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ダイヤモンド・プリンセス 5月16日本当に再開できるのか!?


 今回の本国におけるコロナウィルス騒動は、メディア報道によって、ダイヤモンドプリンセスに端を発している印象がかなり強い。

しかし、ダイヤモンド・プリンセスが横浜港へ入港した前の1月24日から中国の春節祭が始まっており、中国からの多くの訪日観光客が、人気の北海道や首都圏はじめ、リピーターなどは全国津々浦々を訪れており、さらにまだ武漢封鎖もしていない段階だった時期につき、自覚症状のない中国からの罹患者が、健康な私たち日本人に対して媒体者になっていた可能性は非常に高い。 


 私にとってダイヤモンド・プリンセスは、日本に定着する前から夏場のアラスカクルーズや冬場のメキシコリビエラクルーズなどでとても思い入れのある客船なだけに、ダイヤモンド・プリンセスが如何にも悪い」という誤解は止めてもらいたい。

ましてや、プリンセスは英国船籍で且つ米国でオペレーションをしている船舶であることに対して、何処の国の何処の組織(厚生労働省、国土交通省港湾局等々)が責任を持ってイニシアチブをとって対処するのかが定まっていない中で、キャプテンはじめ乗組員は本当にベストトライをしてくれたと思う。 


さて、タイトルの本題の「ダイヤモンドプリンセスは本当に5月16日に運航再開できるのか!?」だが、かなり厳しい状況ではないかと思う。

理由はいくつかあるが、、、 

  1. 現在ダイヤモンド・プリンセスのカーニバル社は、3月12日から5月10日までの60日間は保有する18隻全て自主的に運航中止をしている。その間、ダイヤモンド・プリンセス乗組員はじめ全てのコロナウィルスと戦った戦士らに休養も与えなくてはならず、何万人もの乗組員を一度彼らの本国へと帰国してもらい、家族と共に休養をとってもらっている。
    一方で現在日本政府は感染拡大防止策の為、出入国管理及び難民認定法により乗組員が多いフィリピン、インドネシアなどアジア諸国、ブルガリア、ルーマニアなど欧州諸国からの入国拒否が続いている。乗客もさることながら乗組員が揃わない限りは出航はできない。
  2. 仮に上記がクリアしたとして、5月16日神戸港を出航したあとの高知、広島、松山、油津(宮崎)の感染拡大防止に県民市民が懸命になって戦っている状況のなかで、自治体含め受け入れを認めるだろうか?
    クルーズ振興における地方創生は現政権の看板であるインバウンド政策の一環だが高知県民、広島県民、愛媛県民、宮崎県民の皆様が、日本政府が「緊急非常事態宣言」を発出している最中理解するとは到底思えない。何時もの様な上位下達は通用しないだろう。
     

海外に目を向けると、地中海、アラスカなど様々な海域で再開のチャンスを伺って、未だに5月にでも出航させたいとクルーズキャンセルをしていない会社もある傍ら、お客様はもとより乗組員の「尊い命」を最も第一に考え、また寄港地へのご不安やご迷惑を鑑みて6月末日まで全ての運航を中止するクルーズ会社と判断が分かれている。


私もクルーズ専門旅行会社として、この様な経営危機の状態でダイヤモンド・プリンセスはじめ様々なクルーズ船を出航させてもらいたいものだが、これ以上尊い命、ギリギリの状態で耐え抜いている医療現場の方々、港湾関係者など様々な事情鑑みると、今は自国や自社の利益よりも「公衆衛生や社会秩序」を各国々、各クルーズ会社は優先すべきだ。 


終息後、クルーズが日の目を見るまで随分を相当な努力と時間を要するが、必ず真のクルーズ愛好家から戻ってくる事は間違いない。
急いては事を仕損じる。

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