乗船日数1000日のクルーズアドバイザーブログ

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欧州リバークルーズのススメ ヴォルガ河 後編

外洋クルーズも同様だが、「どのクルーズ船に乗船するのか」- これはクルーズ全体の印象を決定づける。 クルーズ雑誌、テレビ番組に取り上げられると、クルーズ会社はスポンサーなので当然、皆様がたまたまた見かけた船は全て美辞麗句が並び、いかにも素敵な「自分好みのクルーズ船」になってしまう。なので実際に乗船してから「何だか様子が違うぞ?」となってしまう。


これまで、海外クルーズ添乗歴900日以上経験しかなり苦い経験もしてきた上でブログを書いている。


10年前に初めてサンクトペテルブルクからヴォルガ河クルーズに乗船したあの時のカルチャーショックは今でも忘れる事ができない。15~20隻ほどリバークルーズがズラリ停泊していた事も驚いたが、何と!ヴォルガのクルーズ船どれも全て形、大きさ、色、エンブレムが同じ!!これには度肝が抜かれた。

後々調べてみると、サービスレベルなども殆ど変わりはない。結論を先に言えば、海外旅行に出かける標準的な日本人には受け入れがたいレベルだ。


ロシアを欧州と言うのかどうなのか?長らく社会主義を続けた国はやはり欧州とは全てにおいて違う。どれもかつてロシアが旧ソビエト連邦と呼ばれ社会主義計画経済時代に造船されたものなので、どれも同じという訳だ。何とも無機質で、「ハレ」の雰囲気はない。


しかし私も最初は失敗したが、日本の旅行会社の殆どがその社会主義計画経済時代に造船した「アントンチェーフ」等のクルーズ船を使っているケースは多い。どこの市場をメインターゲットにしているかで、日本人にもご満足頂けるか否かが変わる。


殆どがロシア人をターゲットにした国内旅行を対象にしており、日本人とは全くサービスレベルが違う国民なので、料理、ビール、ワイン、キャビン掃除などきっと乗船後は「イメージしていたクルーズとは違う!」と恐らくなる。サービスレベルの違いで何度も苦い経験をした私は「では、次回は」となるがお客様はそうはいかない。私は20回ヴォルガに行くうちの1回だが、お客様は1/1 一回限りのワンチャンス。


「初めてのクルーズ」私の様に失敗しない同じ轍を踏みたくないならば、米国資本のリバークルーズ会社でロシアに対して巨額の「権利金」を支払い、外見は同じだが厨房やラウンジ、キャビン、デッキ、トイレなど内装は全て改造し、寄港地観光も欧米系に喜ぶスタイルのリバークルーズ船を選ぶと、ハード、ソフト共に「憧れのヴォルガクルーズ」のイメージときっと合致するはずです。 


また、サンクトペテルブルクに外洋クルーズで今夏出かけ「異変」が発生している事に気付きました。中国人を満載した2,000~3,000人乗りのクルーズ船が大挙しており、収容人数が少ないエルミタージュ美術館はじめ、サンクトペテルブルク市内の様々な観光名所はゆったりした時間は現実的には取れない状況になってしまっている。

もし、エルミタージュ美術館、ペテルゴーフなどの女帝エカテリーナ、皇帝ピョートルが造り上げた「美の殿堂」をゆったり時間を確保して楽しみたいならば、バルト海クルーズよりもヴォルガ河クルーズの方が間違いなくご満足頂けます。

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