乗船日数1000日のクルーズアドバイザーブログ

クルーズのことならお任せ!手配から添乗まで終始一貫したプロデュースで27年・乗船日数1000日のクルーズアドバイザーが教える失敗しないクルーズのコツが満載

ここにきて一気に変わった!世界最新 クルーズ業界動向!!その②

 世界では、クルーズ再開を待ち望むクルーズ愛好家と、95%株価を下げ底値で買い上げカーニバルの再起に賭ける社債投資家グループの動きは殆ど報じられていない。さしずめ日本では「世界的なパンデミックの状況を注視し、WHO、 CDCと連携し6/30迄の全コースの運航を中止」と言った具合の報道が殆どだ。 


 一方、海外のクルーズ会社の動きとしては、業界最大のカーニバル社が7/1より、第2位のロイヤル・カリビアンは6/12より、ノルウェー・ジャン・クルーズラインも7/1より再開を発表!その上、かつてない程の破壊値が発表されており、1日でも早くクルーズに乗りたいベビークルーズ愛好家と、底値で買い上げた社債投資家らが今のクルーズ業界を動かし始めている。


 横浜港ダイヤモンド・プリンセス、サンフランシスコ沖グランド・プリンセス、長崎三菱重工焼香工場コスタ・アトランチカコスタ・ルミノーザ等すべては、今回のコロナウィルスで最も打撃が大きいかったカーニバルコーポレーション傘下だ。


 各クルーズ会社は『今期は絶望的』と思っている反面、再開のチャンスを此まで慎重に伺ってきたうえで先週殆どが再開発表してきた。と同時に、これ迄にない破壊値に刺激され、通常時よりも遥かに予約率が高くなっている。世界中がパンデミックでまだ出口が見いだせない中でこの状況は日本では理解し難いが、VIKING、SAGA、AMAといった日頃から顧客からの支持が高いクルーズ会社から見ると、この不確実な時にも返金を求めず、今秋や来年にどんな航路があるのかと尋ねてリブックが多い。世界のクルーズ市場の約60%がフューチャー・クルーズ・クレジット(FCC)(今回取消料がかかった場合、次のクルーズ予約をすることで次回クルーズ代金から取消料額面分を割り引くこと)を使い、来年の予約を早々にしてきているのだ。


 弊社クライアントも今年の飛鳥Ⅱの世界一周は見送り、来年ヨーロッパ大陸横断リバークルーズへ、そして2022年にはクリスタル・セレニティで世界一周を早々にご検討頂いていたりと、世界にはクルーズ船再開を待ち望むクルーズ愛好家はかなり存在する。
日本国内だけでクルーズビジネスをしていると気付かないが、実は世界クルーズ市場からかなり水を開けられてきている。


 やっと日本も世界クルーズ市場1%の32万人まで来てクルーズの裾野が広がり、今年は約40隻もの欧米クルーズが日本へ寄港するまでになった以上は、此処で日本が立ち止まってしまうわけにはいかない。此までの関係者の努力が水の泡になってしまう。 


 とはいえ、地中海はじめ他海域で各クルーズ会社運航再開するのであれば日本もどうぞでは…。日本の場合はこれ迄の経緯からして、クルーズ会社任せでは地元受入港の県民、市民、自治体含めクルーズ船入港の支持がとりつくれない。
 第三者的な立場ではなく、これからもインバウンド政策に頼る観光立国目指すならば、早急に主体性を持って、三菱重工長崎造船所コスタ・アトランチカ、横浜港ダイヤモンド・プリンセスのケースから何を学び、何を構築しなければならないのか―1日も早く論じていかなくてはならない。
終息後では、遅すぎる。
世界はもう、動き始めている。

×

非ログインユーザーとして返信する