乗船日数1000日のクルーズアドバイザーブログ

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クルーズ手配歴24年、クルーズ添乗歴900日のプロが分析!コロナウィルスBefore Afterその① 

シリーズ/コロナウィルスBefore After その① 
~日本発着 欧米豪を中心とした欧米系クルーズ客船~ 


「日本は世界のクルーズ屈指の海域とは違い、南西諸島はカリブ海の様に美しい海、瀬戸内海はエーゲ海の様に嶼島が多く、東北、知床半島などはアラスカの様に陸からは立ち寄れないリアス式海岸…」だから日本人にもっと日本の魅力、クルーズは元来コストパフォーマンスが高い事を理解してもらいましょう!と当時プリンセスクルーズ日本地区総代理店代表木島栄子女史が熱く語って頂いた10年前が鮮やかに蘇ってきます。 


以後木島代表が中心となり政府と共にCIQやカボタージュなどの課題をクリアし、日本人を対象にした日本発着の日本近海の航海の「重い扉」をこじ開けてきた。 
しかし日本人対象だった日本発着クルーズは、プリンセスクルーズは世界最大のクルーズ運航会社カーニバル・コーポレーションの傘下であるため、日本近海の航海の魅力は瞬く間に世界中のクルーズ愛好家へと広がりこの7年間で私どもの努力不足は否めないかもしれないが、年々日本人比率より、欧米豪はじめ世界中のクルーズの比率の方が高くなりつつある。それだけ日本海域の魅力が日本人より引き合いが強い。プリンセスクルーズはじめ各社日本法人が設立され日本人に対してセールスを私どもも強化しているが、欧米豪からの予約は1年前~9ヶ月前完了に対して日本市場が動くのは半年前ほどからなので、最近は思うように日本人向けに予約が取れない。 
立場上、申し上げにくいのだが、観光立国目指す我が国の政策にとってはむしろ追い風となっていた状況がコロナBefore。Afterはかなり逆風になる事は避けられない。


多少の多寡はあるものの、カジュアクラスのコスタ、ロイヤルカリビアン、MSC、プレミアムクラスのセレブリティ、ホーランド、ラグジュアリークラスのハパグロイド、クリスタル等々、2019年は日本発着が14隻で106航海をこなし、オセアニア、東アジア発で日本途中寄港は21隻と、今や30隻以上もの欧米系クルーズ客船が日本を中心とした近海をコロナウィルスが日本で発生する前には航行していた。


しかしこれらは、世界の約3,200万人のうち僅かにその1/100のみの市場しかない日本人対象に此だけ多くの様々なクラスのクルーズ船の配船がクルーズ本社でビジネスとして決める筈はなく、この現象は日本を中心とした海域クルーズに市場の大きい北米、欧州、豪州からの「フライ&クルーズ」市場を狙ったもの。観光立国目指す我が国にとって、2020年にはクルーズでの訪日観光客を年間500万人を目標としており、オリンピック開催年の今年はQE2をはじめ、昨年を上回る多くのクルーズ船が日本近海を航行する予定でした。 


欧米系クルーズ会社は、青森港、酒田港、秋田港、舞鶴港、下関港、八代港、高知港など、オーバーツーリズム化している京都、浅草などのゴールデンルートとは異なる地方へも訪れるので、「クルーズ振興における地方創生」は、多いに期待されていた。

如何にして入港する近くの商店街や自治体にとって経済効果が出せるのか…などのテーマで、観光庁や国交省港湾局クルーズ振興室や地方自治体の皆様と共に何度もクルーズ有識者として会議にボランティアベースで出席し、学術的に机上で繋ぎ合わせた知見をお話する立場の方々とは一線を画した現場経営実践の中で培ったノウハウを直感と共に体系的に国、地方のクルーズ誘致関係者の方々とも胸襟開いて意見交換し政策論を講じてきたが、
終息の目処が立たない日本は、残念ながら抜港が続々と決まっている。
3月~5月の沖縄から北海道まで北上する桜前線に合わせて、クルーズスケジュールは概ね組まれていたのにもかかわらず・・・


言葉は不適切ですが、皆様方クルーズ愛好家の安全を守る事もクルーズ会社としては大切だが、Crewの心身ともにの健康確保はBest Serviceをするためにも極めて重要なのがクルーズの常識。Crewの中で一人でも感染者が出たら、恐らく何千名の乗組員は「総入れ替え」となるのも、運航中止や抜港を決定するうえでの大きな要因のひとつだろう。 


地中海、アラスカ、カリブ、バルト海に既に飽き、またカジュアルクルーズに飽きた世界中のラグジュアリークルーズ愛好家の日本クルーズの関心が下がった訳ではない。しかし、このまま全てが右肩上がりで行ってしまっては色々な事を考える事はできなかったので、今は一度立ち止まり先ずは一日も早い終息とクルーズの衛生面などの安心感の周知、その後は中国に端を発するクルーズの様々な問題、首都圏にお金が落ち地方にはあまりお金が落ちない現在のクルーズ産業構造など、一歩踏み込んだ「真のクルーズ振興と地方」政策論へと突き進めていかなくてはならない。


ついては、目下は一昨年度観光庁でご一緒させて頂いた各港湾の方々、DMO 各港湾クルーズ推進協議会の方々約20名ほどの皆様と昨年設立した「クルーズ着地型観光推進連絡協議会」を中心に現状と今後について密に連携を取り合い、課題、対策、展望など情報共有をしてます。

短期的には影響はありますが、終息に向かえば中長期的にはLuxury船を中心に今後も日本に配船される事は世界の市場動向からして間違いないです。 
しかし一番重要なことは、世界中の銘船が「フライ&クルーズ」で欧米豪から遥々遠路国際線で来日し日本から乗下船できる環境が整っているのにも拘わらず、諸外国に比較的しても貯蓄や資産が多い日本人のご乗船が少ないと、恐らく気の利いたラグジュアリー船もまたもや日本から消え去り、市場がある他国へと発着港を変える事は容易に想像がつく。


したがって、高額のビジネスクラス、ファーストクラス追加代金まで払い窮屈なロングフライトで地中海やアラスカに出かけるくらいならば、気の利いた日本発着クルーズ船のちょっと良いキャビンで日本から出航し、欧米クルーズ船で「Discovery Japan Cruise」(日本再発見の船旅)にお出かけ頂くことが、観光立国を目指す我が国でツーリズム産業を目指す若い人材育成、地方創生、安定した欧米系クルーズの日本配船に大きく寄与することは間違いない。


そこで、個人的なお勧めは、2020年10月横浜発着の古き良き伝統を感じるHOLLAND AMERICA LINE 中型の8万トンは一押しだ。

世界中のクルーズ愛好家は既にかなり予約が入っている。
本当に良いクルーズ船、良いキャビンは新聞掲載、旅行会社パンフレットが巷に出回る事なく人知れず売れる、それが銘船だ。

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