美食家に贈るオーシャニアの魅力~バルト海洋上より⑦~
サンクトペテルブルクは昨年新港が完成。
かつてピョートル大帝がバルト海に交易の為に「海からの玄関口」を決死の覚悟で作り上げた様に、現代はプーチン大統領率いる現政権が世界中のクルーズ愛好家を受け入れる「新たなる海からの玄関口」を、世界のクルーズの潮流をいち早く鑑みて作り上げた。
新たなるサンクトペテルブルク港には、オーシャニア、プリンセス、MSC等々様々なクルーズ船が入港しているが、しかしここで大きな問題が現場で生じている。
クルーズ愛好家の方々はご存知の様、昨今のカジュアル船は大型、超大型化してきている。サンクトペテルブルクを訪れる各クルーズ船のexcursionは、
①エカテリーナ冬の宮殿(エルミタージュ美術館)
②ピョートル夏の宮殿(ペテルゴーフ)
③エカテリーナ夏の宮殿(琥珀の間)
この3つにほぼ一極集中する。
しかも、何千人がほぼ朝一の同時刻にだ。
クルーズ業界誌、TV番組には中国人ご一行様のクルーズ実態などは当然紹介されないが、バルト海クルーズで「ロマノフ王朝文化」を堪能する事は現実的に無理がある。(勿論、主たる目的が他にあるのであれば別だが)
数年前とは違い、世界中の人気クルーズ海域であるバルト海、地中海、アラスカ殆ど全ての海域に中国メガマーケットがかなり押し寄せているのが実際だ。大挙する大型クルーズ船、大挙するグレイターチャイナ圈観光客が著しいのでエルミタージュも僅かに1.5時間ではかなり無理がある。
因みにエルミタージュ美術館開館は通常10:30だが、オーシャニアが手配したexcursionは特別に一般の方々が入場できない9:30から入れる様に特別手配をしている。(チケット見れば一目瞭然)
しかし実際にエルミタージュ入館した時間は10:40即ち一般入場と変わらない時間。原因を私なりに調べたが恐らく「ロシア」と言う国に問題があるのではないかと。ランドオペレーターArctup Travel 総括責任者と港で出発前事前打ち合わせをした際、まだまだ社会主義時代の公社の強い印象が拭いきれなかった。
クルーズに「何を重点」にしご参加されているかは皆さんそれぞれ。ゆったりバルト海クルーズであればオーシャニアでバルト海クルーズが一押しだ。
しかしエルミタージュ美術館、ペテルゴーフなどじっくり鑑賞したい事を重点ならば絶対にヴォルガ河クルーズをお勧めする。しかしヴォルガ河クルーズでも、アントン・チェーホフ号はじめ約50隻ほど航行するヴォルガ河クルーズでどこのクルーズ会社を選び、どこの旅行会社を通じて予約をするか、ここは最大のポイントだ。
今回はオーシャニアのバルト海クルーズなので、何れ「ロマノフ王朝をしっかり堪能するヴォルガ河クルーズ」は過去の苦い失敗談を交えご紹介させて頂きます。
お客様は昨夏、愛知県美術館で開催した「大エルミタージュ展」を皆様で鑑賞し、今回は夢にまで見た本場で世界の名画を鑑賞し、ペテルゴーフで圧巻の庭園を散策し、素晴らしいアレキサンドリンスキー劇場(どこの劇場で鑑賞するかはクルーズ会社腕の見せ所)で本場ロシアでの「白鳥の湖」はじめとするロシアバレエを鑑賞し、人生の想い出の1ページにしっかり刻まれた様でご満足頂いた様子。(プロフェッサーである以上、どんな仕事でもこれで、良しという仕事などあるわけない。私の中で課題がしっかり残っただけです)