クルーズ再開の見通しについて その⑨
クルーズ業界、航空業界共にソーシャル・ディスタンスが今後はビジネスモデルを根幹から揺さぶる大きな痛手になる事は必至だ。
カジュアルクルーズを中心に世界規模で延びてきたクルーズ産業。
ひっょとしたら、もう元には戻らないのではないかとさえ思える。
日本の巷の旅行会社パンフレットを眺めていても解らないが、クルーズに実際乗船し船内「フューチャークルーズデスク」に置いてあるクルーズ会社パンフレットは国際航空券とキャビンがセットになった価格設定としている。
米系航空会社平均的な損益分岐点は此まで75%とし平均有償搭乗率84%を維持し高利益をあげ続けてきた。
カジュアルクルーズもほぼ同様の構図で此まで快進撃を続けてきた。
損益分岐点を75%に設定し、平均有償乗船率90%のビジネスモデルで快進撃を続けてきた航空会社と快進撃を続けてきたクルーズ会社だが、ソーシャル・ディスタンスにより完全、ビジネスモデルが成り立たなくなった。
更に、日本は未だ国土交通省主体でガイドラインを出そうとしているが、未だ出せていない。且つ、ダイヤモンド・プリンセス号のパンデミック後のガイドラインなので、厚生労働省>国土交通省 のスタンスでのタスクフォース会議開催の上でのガイドラインでなければ、地方自治体は納得しないであろう。
世界でダイヤモンド・プリンセス号以外で乗客、乗員合わせて約80名がコロナ感染で死亡している。
日本ではダイヤモンド・プリンセス号のパンデミックはクルーズ業界始まって以来のかなり大きな「事故」
何処かの組織、担当者を裁くとかではなく先ずは事故調査委員会を国が立ち上げ「何が良くて、何がまずかったか」この検証なくして出来あがったガイドラインは地方自治体、多くの県民は納得しないだろう。
日本でのクルーズ再開… かなり難しい状況だ。