欧州リバークルーズのススメ ローヌ河 後編
「ゴッホとゴーギャンの足跡を訪ねて」
南仏プロヴァンス地方のローヌ河沿いのアルル、アヴィニョン、リヨンなどメジャーな港からトゥルノン、ビエンヌ、ヴィヴィエなどマイナーな港まで。 個人的にはマイナーな港ほど食、ワイン、街歩きなどローヌ河文化を楽しんで頂け、リバークルーズの真骨頂だと思う。
しかし、こればっかりは実際にリバークルーズ船から下船し、コマーシャライズされていないラビリンスの様な小さな村を、あてもなく地図も持たず本能のままに「世界ふれあい街歩き」の様にぶらぶらしてみないと解らない。 どうしてもアルル、リヨンなど美しいグラヴィア写真に憧れてしまう。かく言う私もそうだったので無理もない。
「プロヴァンス」
何とも響きが良い―。 かつて紀元前ローマ帝国、オスマン帝国の領土権争いを繰り返していた時代にギリシャ人たちは地中海沿岸の要を押さえた後、マルセイユから内陸部へローヌ河をガレー船で遡上し、交易や葡萄栽培に適した土地に港を造り、何千人も入る野外劇場やコロッセオ(円形闘牛場)を造り、葡萄畑を開墾した。それらが楽しめるのが、ローヌ河沿いの小さな寄港地、即ちローヌ河リバークルーズにして地中海文明も楽しめると言う訳だ。 パリを離れ強い光と色彩、そしてタラスコンの様な田園風景に「日本」を求めたゴッホは紀元前の遺構には全く感心を示さなかった。
また、かつてローマ法王庁があった事から「北のヴァチカン」と呼ばれたアヴィニョンの宮殿下の旧市街などは「プロヴァンス・ブルー」と呼ばれる鮮やかな青を配色したプロヴァンス生地や蝉の形の石鹸、サントン人形など南フランスらしいお土産が目白押し。またかつて法王、枢機卿らの胃袋を支える為にできたマルシェには今でもフランスの旨い食材が集ってくる。マルシェでワイン、トリュフなど楽しむも良し。
下船後、空港があるマルセイユ、ニースまでの間のリュベロン地方にはゴルド、ルールマラン、など私一押しの「フランスで最も美しい村」に認定されているコマーシャライズされてなく、洗練された村が沢山あるので、Mersedes Benzミニバンで細かな道をラベンダー、ひまわり畑を楽しみながら旅を締めくくっている。
地中海クルーズでは決して味わう事かができない地中海文化も、ゴッホ、ゴーギャンら印象派と共に、ワインや食も楽しめる一押しのローヌ河リバークルーズ。 是非一度チャレンジしてみませんか?