乗船日数1000日のクルーズアドバイザーブログ

クルーズのことならお任せ!手配から添乗まで終始一貫したプロデュースで27年・乗船日数1000日のクルーズアドバイザーが教える失敗しないクルーズのコツが満載

それでもクルーズは安全か!?

私が海外で良く乗船する外資系クルーズ船と、日本で一般的に良く知られているクルーズ船とは随分と「様子」が違う。 

モーニング、ランチは双方共にブッフェスタイルではあるが、私が海外で良く乗船するクルーズ船は「トング」はゲストサイドにはなく、ホストサイドにあり、ガラス超しに盛り付けられた料理を指で指しゲストがお皿に盛り付ける。  

一方で日本で一般的に良く知られているダイヤモンド・プリンセスやコスタクルーズなどは「トング」はゲストサイドにあり、盛り付けられた料理を自分で取る、またあまり誉められた話ではないが、再び「戻す」人も少なからずいる。 

 

一時が万事、外資系クルーズ会社でも上記の様、ラグジュアリー船とカジュアル船とは随分と「様子」が違う。 


メインダイニングも、きちんとした王道を歩むクルーズ船は新しいプレートと食べた後下げるプレートはスタッフはそれぞれ一方通行で厨房からは2つゲートがあり一つはフレッシュなプレートだけ、そしてもう一つはお召し上がり頂いたプレートだけ。 

衛生面できちんと分けている。 


また常々感じるのですが、カジュアルクルーズとラグジュアリークルーズ。お客様のマナーが随分と違う。クルーズ会社から「感染予防」は常々様々な措置がとられているが、例えば手洗い後はドライなタオルもしくは、エアータオルできちんと手を乾かす等々 実にマナーが違う。 


公衆衛生面からしてどちらが感染者が出やすいかは明らかだ。これ迄も大なり小なりウィルスのトラブルは正直ありました。しかし、これ程ウィルスが大きな問題にはならなかったので、カジュアルクルーズでも清潔性の高い日本人でも問題なく乗船できた。しかし、此からは「安全・安心」をお金で買う時代。   

クルーズを選ぶ時、クルーズを我が町へ誘致する時、「何に重きを置くか」で選ぶクルーズ船は変わる。 


以外と乗船してしまったら自分がいくら支払ったかは忘れてしまう。  

記憶に残る事はストレスを感じた事とリラックスした道溢れた時間だ。 


何かにつけラグジュアリー船は良い。一重にラグジュアリーとは言っても「緊張」する様な船では駄目だ。高いお金を払うのだから心からリラックスできるラグジュアリー船に乗船して頂きたい。 


此はパンフレットを見ていても、乗船した経験がない旅行会社スタッフに、聞いても先ず解らない。失敗含め乗船経験豊富な私共に是非お声かけ下さい!

クルーズ再開の見通しについて その⑩

結論から先に申し上げると世界クルーズ業界でコロナ前から新たな潮流となっているLuxury Yacht Style から再開が現実的だ。


乗客、乗員合わせて約3,800名 112,000tの大型船ダイヤモンドプリンセスと乗客、乗員合わせて約200名 5,000tの高級小型ヨットスタイルでは全くクルーズ、港側の受け入れ体制が違う。 

仮に罹患者を出してしまった場合 カジュアル大型船はホテルマネージャーがヒューマンサイズでアンダーコントロールは出来ず、未だ事故調査委員会も開催されていないので、ダイヤモンド・プリンセスの事故全容が国、地方、クルーズ船社が情報を共有できていない状態でのガイドラインでは当然再び「騒動」になるであろう。(国が事故調査委員会を設置ししっかり検証し情報共有すれば話は別)

 

一方で昨今世界的に潮流のLuxury Yacht Style Cruiseは基本的に極地へ向かうのだから、当然ながら医療施設など極地にはないので当初から「有事」を想定しかなりレベルの高い医療施設が船内にあり、またカジュアルクルーズとは違いしっかり必要な部分に「経費」をかけてお客様の安全・安心・快適の為に必要な措置を講じているのでPCR検査キットは今だからではなく、当初から常設なので、ポストコロナ時代は更に高性能な検査キットを搭載し対応している。 


そもそも、日本の港湾の使用許可権限は国ではなく、地方にあるのでクルーズ会社と地方自治体が「信義誠実の原則」がきちんと保たれている関係のクルーズ会社ならば、自治体通じて県民、市民の理解は得られ易い。  

往々にして高級小型ヨットスタイルのクルーズ会社は大企業経営でなく、クルーズを心の底から愛して止まないオーナー会社が多く、自治体とは「信義誠実の原則」の関係がつくりやすい。

極地には護岸整備された港などあるわけがなく、Luxury Yacht Style Cruiseの場合ゾディアック(エンジンの付いたゴムボート)は標準装備なので「港なき港」へと上陸する。時にヘリ、潜水艦なども搭載しているのでそれらを使っての上陸も。小さいから成せる技だ。

 

日本は島国で美しい嶼島、入江は沢山あり海からのアプローチは簡単だが陸からのアプローチが難しい そんな隠れポイントはまだまだ沢山ある。

 

小規模ながらクルーズ専門旅行会社を経営していてコロナ禍で色々気づかされるが「小さい」は時に「強み」となる つくづく最近そう思う。

クルーズ再開の見通しについて その⑨

クルーズ業界、航空業界共にソーシャル・ディスタンスが今後はビジネスモデルを根幹から揺さぶる大きな痛手になる事は必至だ。 

カジュアルクルーズを中心に世界規模で延びてきたクルーズ産業。 

ひっょとしたら、もう元には戻らないのではないかとさえ思える。 


日本の巷の旅行会社パンフレットを眺めていても解らないが、クルーズに実際乗船し船内「フューチャークルーズデスク」に置いてあるクルーズ会社パンフレットは国際航空券とキャビンがセットになった価格設定としている。 


米系航空会社平均的な損益分岐点は此まで75%とし平均有償搭乗率84%を維持し高利益をあげ続けてきた。 

カジュアルクルーズもほぼ同様の構図で此まで快進撃を続けてきた。 


損益分岐点を75%に設定し、平均有償乗船率90%のビジネスモデルで快進撃を続けてきた航空会社と快進撃を続けてきたクルーズ会社だが、ソーシャル・ディスタンスにより完全、ビジネスモデルが成り立たなくなった。 


更に、日本は未だ国土交通省主体でガイドラインを出そうとしているが、未だ出せていない。且つ、ダイヤモンド・プリンセス号のパンデミック後のガイドラインなので、厚生労働省>国土交通省 のスタンスでのタスクフォース会議開催の上でのガイドラインでなければ、地方自治体は納得しないであろう。 

 

世界でダイヤモンド・プリンセス号以外で乗客、乗員合わせて約80名がコロナ感染で死亡している。 

日本ではダイヤモンド・プリンセス号のパンデミックはクルーズ業界始まって以来のかなり大きな「事故」  

何処かの組織、担当者を裁くとかではなく先ずは事故調査委員会を国が立ち上げ「何が良くて、何がまずかったか」この検証なくして出来あがったガイドラインは地方自治体、多くの県民は納得しないだろう。


日本でのクルーズ再開… かなり難しい状況だ。